周りからよく「野球はお金がかかる」と聞いたことが一度はあることでしょう。
どんな道具が必要なのか?サイズはどれくらいが良いのか?など、不安はたくさんあるはずです。
今回はそんな「親として心配な金銭面のほかにも、野球を始める子どもに対するケアの方法」まで少年野球の現役コーチをしている私がまとめました。

ぐり
- 現役少年野球コーチ/野球歴26年
- 息子が小学1年生で野球デビュー
- 親子で楽しく学べる野球を目指して勉強中
- 自身が楽しくない現役時代の過去から野球が好きになった軌跡はAbout
最後まで読むと道具選びへの不安が解消し、親子で安心して野球を始めることが出来るようになります。
少年野球に必要な道具一覧


野球ってどんな道具があるの?



いっぱいあるんだよ。最低限必要な道具だけは揃えよっか!
少年野球を始めるときにまず必要なのは下記。
道具名 | 目的/使用シーン | 選び方のポイント | 価格目安 | コメント |
---|---|---|---|---|
グローブ | キャッチボール・守備練習 | 柔らかくて手に馴染む/利き手に合う | 3,000〜8,000円 | 使いやすさ重視でOK |
バット | バッティング | 軽量・短め/身長とのバランスをチェック | 4,000〜10,000円 | 金属バットがおすすめ |
運動靴(orスパイク) | 走塁 | 滑らない靴底 | 3,000〜6,000円 | 最初は運動靴でOK。 チーム指定があるか確認 |
ユニフォーム(上下) | 練習・試合着用 | サイズが大きすぎないか確認 | 5,000〜10,000円 | チーム指定があるか確認 |
帽子 | 練習・試合着用 | 実際に被ってみる/曲つばと平つばの好み | 2,000〜3,000円 | 練習用で白が多く使われる |
ソックス・ベルト | 練習・試合着用 | チームカラーに合わせる/サイズアウトに注意 | 1,000〜2,000円 | 消耗品なので予備も◎ |
「最低限そろえておきたい基本の道具」です。
道具を全部いきなり新品でそろえる必要はありませんが、子どもがやる気を出して練習できるためには、やはり「自分専用」の道具があると気持ちも入りやすくなりますよ。
グローブ
サイズは大人と違って小さめで柔らかいものがベストです。
低学年の子はまだ握力が弱かったり、筋力が無いため「手に馴染みやすい柔らかさと軽さ」を重視するとキャッチボールが楽しくなります。
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バット
バットは軽くて扱いやすい長さを選びましょう。
目安は身長に対してバットが脇の下〜胸の高さくらい。
長すぎたり重すぎたりすると、当たらないどころかケガの原因にもなります。
ウレタンゴムで長いバットは飛距離が出て人気ですが、低学年が使うと本来のスイングが崩れたり、誤ったフォームで高学年や中学生以降クセを直すのに苦労するので練習では金属バットをおすすめします。
金属バットの軽量タイプを選ぶと振り抜きやすく、「当たった!」という成功体験につながります。
このサイズ感を意識して選ぶと失敗しにくいですよ。



バットは無くても良いですが、家で練習するためにもあるほうがお子さんが楽しめますよ。
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スパイク
おすすめはアップシューズです。
アップシューズ……野球専用のシューズ。軽量の割に丈夫なので使いやすい。
低学年のうちは動きやすさを優先して運動靴やアップシューズで問題ありません。
ただし、チームの方針を確認してからのほうが安心です。
スパイクであれば軽いものを選ぶと良いでしょう。
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ユニフォーム
チーム指定がある場合は購入必須ですので、まず監督やチームの関係者に聞くと良いでしょう。
練習用ユニフォームは洗い替えが必要になることも多いので、「最初から何枚必要か」を先輩保護者に聞いておくと無駄な出費を防げます。



膝当ても初めからあったほうが良いですよ。息子はよくスライディングをして、毎月穴を開けます……
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小物(ベルト・ソックス・帽子)
こちらもまずチーム指定があるか確認することが大切です。
ソックスはサイズアウトが早いですが、消耗品なので予備があると安心です。
また、帽子は曲つばか平つばがあるのでチームの子たちがどんな帽子をかぶっているのか確認しておきましょう。
子どもにとって「チームの帽子やユニホームを着れること」は、モチベーションアップにつながる大切な要素です。
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買う前に必ず確認したいこと





パパ、ユニホームって入部する前に買うの?



ちょっと待ってね、チームのお約束があるかもしれないから確認してみるよ。
道具一覧のリストを挙げた中に、「チーム方針を確認する」という旨の内容をお伝えしました。
というのも買ってから「チームカラーじゃないからダメ」なんでこともあるからです。
まずは買うよりも下記の確認事項を満たしましょう。
- チーム指定の道具があるかどうか
- 共有で借りられる道具があるかどうか
- 新品で揃えなければならないことはない
慌てて買わずに、まず上記の3つを確認しましょう。
無駄な出費を抑えつつ、子どもが野球を始められることがなにより大切です。
チーム指定の道具があるかどうか
ユニフォームや帽子、バッグなどはチームで指定があることが多いです。
先に買ってしまって「違いました」となるのはもったいないですよね。
必ずコーチや先輩保護者に確認してから購入すると安心です。



特にバッグやユニホームは先輩保護者に聞きましょう!ウチは1年生に対して、バッグはしばらく買わないように伝えています。
共有で借りられる道具
ボールやヘルメット、キャッチャー道具など、チームで共有しているものもあります。
特に最初のうちは「必要最低限な道具のみ準備して、ほかはまず借りる」で全然OK。
新品で揃えなくてもよい
グローブやバットは中古やお下がりでも十分。
最初は「扱いに慣れる」ことが大切です。
もちろん新品を買ってあげると子どものテンションは上がりますが、「まずは続けられるか」を見てから新品を買い足すのが、経済的にも失敗しにくいやり方です。



これについては意見が分かれますが、お子さんがキラキラした目で「買って!」というようでしたら買ってあげても良いかもしれませんね。
練習や試合で役立つ追加アイテム/保護者グッズ





5年生のお兄ちゃんがサングラスしてた!付けたほうが良いの?



太陽が眩しいときもあるから、買っても良いかもね!
最低限必要な道具さえあれば練習はできます。
とはいえ、あると一気に快適になったり、子どものやる気を高めてくれるアイテムがあります。
グッズ名 | 目的/使用シーン |
---|---|
バッティング手袋/守備手袋 | 練習や試合で手をマメや擦れから守る |
水筒/熱中症対策グッズ | 暑い季節での対策 |
ケア用品 | 道具を長く使えるようにケアする |
保護者用グッズ | 快適に応援するために |
特に低学年のうちは「楽しさ」を演出してあげることが継続につながるので、追加アイテムもチェックしておきましょう。
バッティング手袋・守備手袋
グリップ力を高めるだけでなく、手のマメや擦れを防ぐ役割もあります。
「道具を持つのが痛いから嫌」となってしまうと練習が嫌になる原因に。
特にバッティング手袋は低学年でも1双あると安心です。
水筒・熱中症対策グッズ
夏場の練習・試合は熱中症との戦いでもあります。
子どもにとっては「冷たい水分が飲める」こと自体が楽しみになることも。
- 水筒
- 経口補水液
- ネックリング
- クーラーボックス
- 熱中症予防タブレット
大容量の水筒や保冷バッグ、熱中症対策タブレットは必須です。
準備しておけば保護者も「子どもは大丈夫かな?」という不安を減らせますよ。
ケア用品
グローブクリーナーやオイルなどのケア用品は、子どもに道具を大切に扱う気持ちを教えるきっかけにもなります。
- グラブオイル
- グローブクリーナー
- シューズブラシ
親子で一緒に磨く時間は、ちょっとしたコミュニケーションの場にも最適です。



よく息子とグローブを磨きながら、その日の反省会や何気ない会話をします。親である私のほうが楽しみです。
保護者用グッズ
練習や試合は長時間になることが多いです。しっかりと対策しましょう。
あなたも快適に過ごせる準備をしておくと、最後まで応援しやすくなります。
- 折りたたみ椅子
- ビデオカメラ
- 三脚
- 帽子/サングラス
「子どもの野球=親の時間でもある」ので、親が快適に過ごせる環境づくりも大切です。
子どもの成長を見守るためにも充実させることをおすすめします。
道具の選び方と失敗しないポイント





いろんな道具があって、どれが良いのかわからないよ……



そうだね、いくつか見せるから一緒に選ぼっか。
道具を買うときに一番多い失敗は「とりあえず買ってみたけど合わなかった」というケースです。
せっかく揃えたのに子どもが嫌がって使わなくなったら…親としてもガッカリしますよね。
ここでは失敗を避けるためのポイントを押さえておきましょう。
- 子どもの体格に合ったサイズを選ぶ
- 「高ければ良い」ではない、コスパを重視
- 子どもが気に入った道具を検討
子どもの体格に合ったサイズを選ぶ
低学年の子どもはまだ体も小さく力も弱いです。
結論としては「軽く、柔らかく、ちょうどよく」。
「成長を見越して大きめを買う」のは失敗の元。多少大きくするのは許容範囲ですが、あまりにも大きすぎると運動の邪魔になるので止めておきましょう。
今の体に合ったものを選ぶのが鉄則です。
「高ければ良い」ではない、コスパを重視
有名メーカーや高級モデルに目が行きがちですが、最初はそこまで必要ありません。
むしろ先に提案した「軽く、柔らかく、ちょうどよく」の方が大切です。
高い道具を買っても、子どもが「重い」「使いづらい」と感じたら逆効果。
適正価格で、子どもに合っていることを最優先にしましょう。
子どもが気に入った道具を検討
保護者の視点だけで購入するのも、注意です。
なぜなら子どもが気に入らない可能性があるから。



僕、青のグローブが良かったのに……
なんてこともよく聞きます。
子どもが好みを聞いてから、サイズなどを選ぶことが大切です。
気になる費用と節約術





大谷翔平選手の同じ道具が良いなー!



た、高い。安くて似た物がないか探してみようかな。
少年野球を始めるときに、多くの親が一番気になるのが「結局いくらかかるの?」というお金の部分です。
大切なのは「全部を一度に揃える必要はない」という考え方。
ここではおおよその費用感と、ムダを抑える工夫を紹介します。
必須道具にかかる初期費用の目安
- グローブ:3,000円〜15,000円
- バット:2,000円〜15,000円
- スパイク/運動靴:4,000円〜8,000円
- ユニフォーム一式:10,000円前後(チーム指定の場合は変動あり)
- 小物(帽子・ベルト・ソックスなど):3,000円前後
合計すると、2万円〜3万円台で一通り揃えられるケースが多いです。
ただしチーム指定のユニホームがあると、その分プラスでかかることもあります。



バットはチームの上級生からもらえることもあります。ジュニアからレギュラークラスになると、高学年用のバットに買い替えるご家庭も多いので。
消耗品にかかる維持費
野球はどうしても消耗品が多いスポーツです。
特に下記の道具には穴あきやサイズアウトに注意しましょう。
- ソックス
- アンダーシャツ
- ケア用品
ソックスやアンダーシャツは洗い替えが必須ですので2~3枚は準備しましょう。
年間で見ると、1万円前後は買い替えに費用がかかると考えておくと安心です。
中古での購入・お下がりをいただく
新品だけが揃えるための条件ではありません。
中古品やお下がりで揃えられるものを確認してみましょう。
中古での購入
中古品でも状態が良く、サイズも合っていれば対象として購入を検討しましょう。
メルカリでは美品で2000円~種類も豊富なのでおすすめです。
お下がりをもらう
兄弟やチームの先輩から譲ってもらうのも定番です。
特に低学年はすぐサイズアウトするので合理的ですし、実際にチームからサイズアウトしたアンダーシャツの配布などがあります。
現役お父さんコーチからのアドバイス





うまく野球できるかな?



とにかく楽しむこと!はじめから上手くいく子はいないから、楽しもう。
少年野球を始めるにあたって、親として一番強い想いは「ちゃんと続けられるかな?」という心配でしょう。
子どもの精神面はもちろん金銭面のケアも大切です。
- 経済的な心配「最初から全部揃える心配はない」
- 精神的な心配「保護者の接し方が糧となる」
サポートしてあげられるのは間違いなく、保護者であるあなたということは忘れてはいけません。
実際にグラウンドで子どもたちを見ていると、子どもにとって大事なのは「野球を楽しめるかどうか」。
その一点に尽きます。
経済的な面と子どもの精神的な面は実は近しい距離感にあると言えます。
うまく子どもが冷めないように道具を揃えることが、これからの野球人生に影響を与えることでしょう。
最初から全部揃える必要はない
最初から全てを新品で揃えるのは負担が大きいし、もったいない場合も多いです。
子どもがまだ小さいうちは、サイズアウトや好みの変化が早く、すぐに買い替えになることも。
だからこそ「必要最低限+お下がりや借りられるもの」で十分だと言えます。
一方で、子どもは単純です。
自分専用のグローブやバットを持ったときの嬉しそうな顔は、一生の思い出になるでしょう。
「自分の道具を持っている」という誇らしさが、練習を頑張る原動力になります。
高いものじゃなくていい。
子どもが「これカッコいい!」と思えるかが一番大切です。
親としては「お金」と「楽しさ」の両立に悩みますが、焦らず少しずつで大丈夫。
道具を通して「野球って面白い!」と子どもが感じてくれれば、それが最高のスタートラインになります。
保護者の接し方が今後の野球人生において糧となる
スポーツにおいて「怒る」ことは必要ないと考えています。
なぜなら個人(保護者or指導陣)の感情だから。
よく怒ると叱るは違うといった話はお聞きになることでしょう。
叱ることは必要です。子どもの成長につながるから。
上手くいかなかった場合、あなたの声掛け次第で「次も頑張る」気持ちを持ち続けられるはず。
人生においても挫折する局面は誰でも迎えます。
そんなとき「野球でつまずいたとき、お父さんやお母さんが励ましてくれたな」と思い出すだけで野球をする価値は大きいのだと言えるでしょう。
プレイだけでない、子どもの人生に価値を高める意義が野球にはあります。
まとめ:少年野球に必要な道具は子どもの成長と一緒に揃えていこう


少年野球を始めるとき、親としては「全部ちゃんと揃えてあげたい」という思いが強くなるものです。
ですが、実際には必要最低限の道具だけで十分スタートできるし、その方がムダな出費を避けられます。
必要な野球道具一覧
道具名 | 目的/使用シーン | 選び方のポイント | 価格目安 | コメント |
---|---|---|---|---|
グローブ | キャッチボール・守備練習 | 柔らかくて手に馴染む/利き手に合う | 3,000〜8,000円 | 使いやすさ重視でOK |
バット | バッティング | 軽量・短め/身長とのバランスをチェック | 4,000〜10,000円 | 金属バットがおすすめ |
運動靴(orスパイク) | 走塁 | 滑らない靴底 | 3,000〜6,000円 | 最初は運動靴でOK。 チーム指定があるか確認 |
ユニフォーム(上下) | 練習・試合着用 | サイズが大きすぎないか確認 | 5,000〜10,000円 | チーム指定があるか確認 |
帽子 | 練習・試合着用 | 実際に被ってみる/曲つばと平つばの好み | 2,000〜3,000円 | 練習用で白が多く使われる |
ソックス・ベルト | 練習・試合着用 | チームカラーに合わせる/サイズアウトに注意 | 1,000〜2,000円 | 消耗品なので予備も |
これらがあれば、まずは練習や試合に参加できます。
追加アイテムや便利グッズは「続けられそうだな」「子どもがもっとやる気になってきたな」と感じたタイミングで少しずつ買い足していけば大丈夫。
親も子どもも無理せず「野球を楽しむ」ことが一番大事
経済的な負担を背負い込みすぎると、親も疲れてしまいます。
逆に最低限の道具で楽しくスタートできれば、子どもも親も笑顔で続けられる。
野球道具はゴールではなく、「子どもの成長を後押しするための手段」なんです。
子どもが「野球を続けたい」と思うために
必要な道具を揃えることはスタートラインに立つための第一歩。
とはいえ実際に長く続けていくうえで一番大切なのは、保護者であるあなたの関わり方なんです。
「頑張れ!」と声をかけすぎて逆にやる気をなくしたり、「もっと練習して!」と言って子どもがプレッシャーを感じたり…。
そんな悩みを抱える親御さんに向けて、実際にコーチをしている私自身が経験した出来事をまとめたのがこちらです。
$リンク⇒note限定公開|『子どもが野球を好きになる親の接し方大全』(有料1,000円)を読む
道具と同じくらい、子どもの心に寄り添う“接し方”が野球人生を左右します。
この記事をきっかけに、親子で「野球って楽しいね」と笑える日を増やしていきましょう。